《MUMEI》 真面目なキス「結婚しないか?」 「…はい?」 突然真面目な顔で言い出した彼に、思わず聞き返してしまった。 そう、『彼』。 中学時代からの付き合いで、高校で恋人になったあたしの『彼』。 が、高校三年の夏、いきなり言ってきた。 「結婚って…良いケド、何でまた突然…」 「いっ良いのか?」 「良いわよ。もう六年の付き合いだけど、アンタがどういう人か、大体は理解出来たから」 そう言うと、何故かムッツリされた。 「…そんなに簡単な人間じゃないぞ、オレは」 「じゃあアンタはあたしのこと、全然理解していないの?」 「そっそんなことはないっ!」 「なら、ちょーど良いぐらいで」 ニッコリ笑うと、再びムッツリされた。 「結婚は良いんだけどさぁ、とりあえず、あたしの大学受験が上手くいってからね」 今日も彼の部屋で勉強会。 色気の無いったら…。 でもこういう付き合い、キライじゃない。 「そっそうだな。とりあえず、お前が大学を合格してからの話にしよう」 そう言って参考書に目を通す彼。 学年で5番以内に必ず入る彼は、すでに推薦で入ることを決めた。 次へ |
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