《MUMEI》

灯りを落とした部屋のなかに、青白いディスプレイの光だけが、小むすびマンの顔を照らしている。



それは、父親が失踪した理由を送られてきた圧縮ファイルから見つけ出そうとする、真剣な表情だった。



―――… カタカタカタカタッ!



天才ハッカー……ファルコンの指先は、軽やかにキーボードを叩く!



すると世界中のコンピュータから、解析の終わった圧縮ファイルの断片が次々と返送されてきた。



小むすびマンは、それを時系列順に繋ぎ合わせ、音声データとして再生してみる…。



すると―――…



*「バ(zizizi…)キン(zizizi…)だ…。」



ノイズだらけの音声のなかに、微かに低い男の声らしき声がスピーカーから響いた。

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