《MUMEI》

「ボクが通った料理教室で学んだ料理が、この殺人事件にもよく出ています。ちなみにボクが通っている料理教室は、ウチの学校紹介です」

「えっ?」

「主に卒業生や学校関係者がつくった料理教室なんですよ」

「ああ、ナルホド」

タテ関係、ヨコ関係が広い学校だ。

「う〜ん…。にしても、犯人、なのかしら? 作ったの」

「恐らくは。殺した者が、材料として料理人に作らせるって仮説は立てられますが、どうもしっくりこないですからね。自分で殺して、そのまま料理をした―と考えて間違い無いでしょう」

「うう〜ん。なら容疑者は…」

「ウチの学校関係者、と考えて間違い無いかと」

………マジかよ?

「じっじゃあ犯人を見つけようと思ったら…」

「学校関係者を調べれば、案外あっさり見つかるんではないでしょうか?」

「マジでぇ〜?」

アタシは思わず頭を抱えた。

「でっでも料理関係者なら、警察が調べてるんじゃないの?」

「ヒミカ、この街にどれだけ料理関係者が存在すると思うんですか? いくら警察でも、手の届かない部分が出てきますよ」

「それが…ウチの学校?」

「軽くは調べられたでしょう。ですが個人を深くは調査しないでしょうね。他にも容疑者となる人間はたくさんいるんですから」

「〜〜〜! …じゃあ被害者は? 何か料理関係者と接点があったのかしら?」

「そうですねぇ…」

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