《MUMEI》
専門学校
「…徹夜で登校はキッツイわね」

「頑張ってくださいよ。犯人を早く逮捕したいでしょう?」

それを言われると…。

眠い目を擦りながら、アタシとキシは学校へ来た。

街中にある7階建ての建物が、アタシ達の学校だった。

どの階からも、美味しそうな匂いがする。

朝食はここに来る前に、キシが作ってくれた。

キシの得意な洋食料理、とても美味しかった。

「とりあえず、職員室から回りますか。ボクに料理教室を教えた先生を教えますから」

「何人ぐらいいるの?」

「5人ですよ。肉料理に詳しい人を尋ねましたから」

…何だかイヤな尋ね方だ。


職員室は3階にある。

まるごとフロア全てが職員室。それに事務室も含まれている。

「まずはボクに肉料理を教えてくれるカミナ先生」

「カミナ先生ならアタシも知ってるわ。和食の方でも肉料理を教えてくれる先生だもん」

「ええ。女性ならではの繊細さと、彼女のアイディアから生み出される数々の肉料理はとても評判が良いですからね。今も有名所から声がかかっているぐらいですから」

まだ30代になったばかりのカミナ先生は、明るくてハキハキしている。

決して怒鳴ったりせず、ちゃんと生徒のペースで進んでくれる良い先生だ。

お姉さんタイプで、アタシも懐いているけど…。

「アラ、二人とも。おはよう!」

「っ!?」

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