《MUMEI》
不思議な植物
オゾンの部屋にある空気が、自分が運んだ空気とは、微妙に違う事にクーはすぐに気付いた。


「さすがだな」


そんな社長の声には耳も貸さず、クーは、落ち着きなく部屋を見渡していた。


オゾンの部屋は、いつ来ても一定の温度と湿度で


庭園のように、緑に囲まれていた。


「原因は、これか…?」


その緑の中に、今まで見た事も無い植物を発見したクーは


その植物の特性にすぐに気付いた。


そして、クーはそれを確認する為に、大きく息を吸い込み、植物に向かって吐き出した。


やっぱり、そうか


その見た事も無い植物は


クーの吐いた息を


二酸化炭素を吸い込んだ後


新鮮な空気を発生させていたのだ。


この植物のおかげで、オゾンの部屋の空気は、汚れる事なく


より、新鮮で綺麗な空気になっていたのだ。


それにしても、こんなの、見た事ないぞ…


クーは熱心に植物を観察していた。


「クー!!」


ドカ!


「うお!?」


そんなクーの背中に、可愛らしい声と衝撃がきたのは、クーが植物の観察を開始して、数秒後の事だった。

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