《MUMEI》
立食パーティー3
「何かあったのか?」

「え、あ、いや、べ、別に…」


…あったんだな


皐月は動揺しまくりだった


「ふぉんながいっふぁいでひっくりしたんじゃないか?」

「お前は食ってから喋れ」


口に肉を詰め込む聖の頭を、相羽先輩が叩いた


昨日も思ったけど、この二人、仲いいよな


同じ部活の先輩後輩だし


「女がいっぱいでびっくりしたんだろ?」

「そうでもないだろ。知り合いいたみたいだし」

「え?そうなのか?」

「え、あ、うん。まぁ…、料理コンテストでよく見かけた子が…」

「へぇ。嫌な子なのか?」

「え、何で?」


何でって…


言っていいのか?


何か、泣きそうだって


うーん


こんな会場で言ったら、皐月困るよな


「ここで話したくなかったら、後でどっちかの部屋で話したらどうだ?」


提案したのは鳳凰寺だった


けど…


「この後集まりあるよな?」

「うん」


返事をしたのは神澤で


俺の制服の裾を握り締めてきた


「あのさ、…考えまとまってから話したいし、今日は休みたいから…」


皐月はそそくさと、会場を後にした

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫