《MUMEI》 ウワサをすれば何とやら。 ちょうどエレベータから出てきたカミナ先生は、今日もキレイ。 「おっおはようございます、カミナ先生」 「おはようございます、カミナ先生」 どもったアタシとは違い、キシは笑顔で言った。 「二人とも、職員室に何の用事? 課題の提出にでも来たの?」 「いえ、ホラ、カミナ先生に以前教えてもらった料理教室のことなんですけど、ヒミカも通いたいと言い出しましてね」 ぎょっとしたが、声には出さなかった。 「あのチラシ、貰えますか? ボク、無くしてしまって…」 「ええ、良いわよ。にしても珍しいわね。ヒミカが料理教室に通うなんて。あなたはどっちかと言えば、料理を知識と考えているところあるから」 アイタっ! …確かにアタシは、自分の欲求を満たす為に料理教室に通っている。 でっでも料理は好きだし、美味しい食べ物も好きだし…。 「実はボク達、付き合っているんですよ」 そう言っていきなりキシはアタシの肩を抱き寄せた。 「っ!?」 「なのでずっと一緒にいたいって言われましてね」 「あらあら、まあ」 何かを言いたかった…。 でもこれもキシの作戦だって分かっていたから、あえて黙っていた。 「それなら納得できるわね。ふふっ、ヒミカにも可愛いところあるじゃない」 「ヒミカは元々可愛いですよ」 「〜〜〜っ!」 前へ |次へ |
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