《MUMEI》

だからアイツに抱きついた。

「おっおい」

「…アタシが好きなのは、アンタだけよ」

アタシよりも小さな体。

でもいつかは追い抜かれる。

それまで…待っていよう。

コイツが好きなのは、アタシだけなんだから。

「おっおう」

ぎゅっと抱き締め返されて、胸がいっぱいになる。

………と、思っていたら。

また肩を捕まれて、ベッドの上に…。

「って、何で押し倒すのよ? キスなら起きてでも…」

「いっいや、ホラ。続きは…ベッドの上だろ?」

続き…って、まさかっ!?

「3年は早いわっ! バカガキッ!」

そしてまた、アタシの拳はふるわれた。

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