《MUMEI》
立食パーティー4
「皐月君は何かあったみたいですね」

「観音寺さん」


皐月と入れかわるように、俺達の前に観音寺さんが現れた


その手には、ケーキの乗った皿があった


「渚でいいですよ」

「え、でも…」

「雫も入学した事ですし」


観音寺さんはそう言ってニッコリ微笑んだ


まぁ、確かに同じ名字だけど…


けど、俺、誠治さんは誠治さんだし、鳳凰寺は鳳凰寺なんだよなぁ


「それとも、私の名前なんて呼びたくないんですか?」

「いえ、そんな事は!」


そ、そんな悲しそうな顔しなくても!


「では、渚で」

「わ、わかった」


頷く俺を、観音寺…もとい、渚さんは嬉しそうに見つめた


「そういえば、誠君は甘い物、嫌いじゃないですよね?」

「え、何で」


知ってるんだ?


「それはもちろん、料理長ですから」

「スゲー…」

「フフ、ありがとうございます」

「観音寺さんは、優秀だからな。

鳳凰学園きっての天才で有名だったし」

「そんな事は無いですよ」

「テスト常に満点で、生徒会長だったのに?」

「マジ!?」


鳳凰寺の言葉は真実らしく、渚さんは苦笑しながら頷いた

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