《MUMEI》 立食パーティー5「だから、今の生徒会も頭が上がらないんだよ」 鳳凰寺に言われて、気付いた 神澤が、やけに、大人しい 「今はただの料理人なんですけどね」 「…けど、怒らせたら、こわい」 …そうなのか 神澤の声は小さく、俺にしか聞こえなかった そして、その後の 「ダイヤの、元総長だし」 その、一言も俺にしか聞こえなかった あー、何か、わかった ダイヤの初代総長 つまり、親父が指名した男は地元民で、庶民だった その頃のダイヤの車は、ただの赤いセダンだった それが、赤いリムジンになった頃の総長は、他所者で、金持ちにもかかわらず、皆に敬われ、恐れられたらしい …多分、それが渚さんだな 俺の親父もお袋もそうらしいけど、昔派手だった人間て、大人になると落ち着くらしいし 「それより誠君、これ食べてくれる?」 「俺だけに、ですか?」 「本当は感想聞きたいから、皐月君に作ったんだけど、皐月君は無理そうだし。これ、今日中に食べてほしいし。 大丈夫。皐月君にはまた作るから。 はい、あーんして?」 …ちょっと待て 前へ |次へ |
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