《MUMEI》
立食パーティー6
「…あーんの意味がわかりません」

「だって誠君の両手塞がってるし」


あ、そー…


「「…」」


神澤が俺の右手にあったグラスを


鳳凰寺が俺の左手にあった皿を取った


それはもう、素早い動きで


「えーと、空きました」

「…残念」

「え?」


何か言ったか?


「はい」

「あ、ありがとうございます」

「どういたしまして。では、また」

「あ、はい」

「早く食え」

「食べて」

「あ、あぁ」


神澤と鳳凰寺に急かされ、ケーキを食べた


「…うまっ」


甘い物大好きってわけじゃないけど、これ、うまいなー


スゲーな、渚さん


感動していると、神澤と鳳凰寺から強い視線を感じた


「…もしかして、二人とも食いたいのか?」


でもこれ、小さいからあと一口で終わりなんだよな


「いや、昨日もだけど、…幸せそうに食うよな、お前」

「…可愛い」

「だってうまいし、…て、可愛いとか言うな!」


神澤は目がおかしいと思う


可愛いなんて、言われた事無いし


<いい加減、戻れ、そこの三人!>


…は?

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫