《MUMEI》

「ユリウス…、どうしてテオルスにあんな態度をとるの?」


優しい目つきから一変、ユリウスは雹里を睨みつけ目をそらした。


「あいつは魔族じゃない、それにこのことはヒョーリには関係ないことだ」


いや
知らない方が良い…


ユリウスは吐き捨てるように言うと、雹里の部屋から出て行った。


雹里はただユリウスの背中を見つめていることしか出来なかった。


私は
知っちゃダメなの…


ヒョーリは小さな手をギュッと握りしめ、部屋から飛び出した。

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