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《MUMEI》 . 「…言いたいことがあるなら、ハッキリ言えっての」 わたしが聞き取りにくい声で、ぽつりと呟いた言葉を、耳聡く拾った由紀が、アハハ！と軽快に笑った。 「言いたいヤツには勝手に言わせとけよ」 彼は、なんでもないような言い方でたしなめる。晃も、 「そんなピリピリしてるとシワ増えちゃうよ〜」 と、恐々言ってきた。 そんな彼らに、わたしは仏頂面ヅラを向ける。 「アイツら陰湿なんだよ。陰でコソコソ、ウジウジ、マジ腐ってる」 わたしの台詞に、晃は、怖い〜！と怯え、由紀は、キビしー！と笑った。 「ホント、歪んでるよなー、仁菜は」 おかしそうに言った由紀に、ほっとけ！と毒づくと、わたしはそっぽを向いた。 ＊＊＊＊＊＊ 前へ |次へ |
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