《MUMEI》

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わたしには、分からない。



どうしてみんな、口を揃えたように、

「彼氏欲しー」とか、「彼女欲しー」とか、

そんなことばかり話しているんだろう?



「彼氏と一緒にいて幸せ〜」とか、「彼女がマジ可愛い」とか、

本気で、そんなこと思って言ってるの?



ちょうどそのとき、前を歩いているカップルが、突然、立ち止まったか。


…かと思うと、

軽いキスを交わした。


わたし以外にも、下校している生徒がいるにも関わらず、

他人の目なんか、全然気にしないといったふうに、堂々と。


キスを終えた彼らは、ほんのり赤く頬を染め、ピッタリと身体を寄せ合い、また歩きはじめた。



…………ほらね。

結局、そーなんだ。



きっと、彼らはこれから『いかがわしいトコロ』へ行って、『いかがわしいコト』をするに違いない。


高校生なんて、動物に例えたら、発情期真っ只中。


あんなキスひとつで、満足するワケがない。


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