《MUMEI》

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ふぅ…とため息をついて、再び視線を雑誌に戻し、【レン】の顔を見た。


無造作にセットした、キャラメルブラウンの柔らかそうな髪の毛。優しさを滲ませた、ナイーブそうな目元。

すっきりとした細い顎のラインは、華奢で繊細なイメージを与えて……



………て、


アレ??



「このひと…」



わたしはおもむろに雑誌を両手で掴み、まじまじと凝視する。


【レン】とかいうアイドルの笑顔と、

昨日出会った、あの『彼』の顔が、



なぜか、ダブって見えた気がした。



………気の、せい??


まさか、ね!!

昨日のアイツは、

アイドルの真似した、ナル野郎ってだけよね!



ひとりで決め付けスッキリしていると、ちょうどそのとき、担任の先生が教室の中へ入って来た。


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