《MUMEI》 . 線は細いがしっかりとした身体つき。シャープな顎のライン。きれいなキャラメルブラウンに染められた髪の毛。 少し不安げな色を残した、ナイーブそうな瞳……… ………って!! 待って、待ってッ!! このひと、どっかで見たような…。 わたしは眉間にシワを寄せ、じーっと転校生を見つめた。 転校生は困惑したような目でクラスを見回していたが、始終優しそうな表情を浮かべていた。 先生は騒がしい生徒たちに、静かにしろ〜!と一声かけてから、言った。 「転校生の【北條 廉】君だ。お家の事情で、今日からこの学校に転校してきた」 仲良くするように、との先生の言葉に続け、その転校生はニコッと慣れたようにほほ笑み、 「北條です。よろしく」 と、爽やかな声で挨拶した。 −−−途端。 キャーーーッ!!っと、割れるような甲高い悲鳴が(主に女子たちから)沸き起こる。 . 前へ |次へ |
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