《MUMEI》
美少年・オゾン
「僕をさがさないなんて、ひどいじゃないか!」


そう言いながらも、クーに突撃した黒髪・黒目の美少年


オゾンは満面の笑みを浮かべていた。


オゾンの笑顔はくっきりとえくぼができるという特徴があった。


オゾンは、クーが来るのが楽しみで仕方なかった。


この部屋に来る人間は、かなり限られている上に、オゾンと同年代の人間はクーしかいなかったのだ。


そんなオゾンは今年十五、クーは十八になる。


しかし、二人の身長は、ほとんど変わらなかった。


相変わらず、元気だけど、細いし白いなぁー


のんびりとクーがオゾンを見つめると


「全く、空気バカなんだから!」


呆れたように、オゾンは大声を出した。


「ごめん」

「ま、それがクーだからいいけど!

さ、遊ぼう」


オゾンはまた笑顔になり、クーの手を引いた。


…この半分でも、表情があったらなあ


オゾンに引っ張られながら、クーは家に置いてきたエアーの無表情な顔を思い浮かべていた。


それからクーとオゾンは、オゾンの希望で延々と鬼ごっこをした。


この空間でしか走れないオゾンは、体を動かす遊びが何よりも好きだった。

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