《MUMEI》
琴線
ショウは、夢視に拒
絶されて失意の底に
いた。

自室に戻った途端、
力が抜け、ズルズル
と壁に凭れて踞って
しまった。

どれ程、時が流れた
のか…辺りが暗くな
った頃ドアが叩かれ
た。


『ショウ様、陛下が
お呼びです。』


ショウは、溜め息を
1つ吐き返事をした


『解った、ちょっと
だけ待っててくれ』

ドアの外の声の主に
告げて、顔を洗う。
目の前の鏡に映る情
けない顔の自分に自
嘲した。


『陛下…』

ショウは、ドアを開
け部屋に入った。


陛下は、ショウの顔
を見て何かを察し訊
ねた。

『ショウよ、お前?
何があった?』


ショウは、『別に』
と首を左右に振った


陛下は、どうせ夢視
絡みの事だろうと無
言でショウを見つめ
ていた。

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