《MUMEI》

カツ丼マンと釜飯丼マンの兄弟は、指定されたこの場所で“男”を待っていた…。




―――… カツ・コツ・カツ・コツ …。



暫くすると、静かなターミナルに靴音が響き渡る…。



その靴音の主は、やがて待合室の自動ドアをくぐって二人の前に現れた。



カツ丼マン達は、緊張した面持ちで自動ドアの彷を見つめる。



そこにはアタッシュケースを手にした、スーツ姿の男が立っていた。



“G”と呼ばれるその男は、ガッチリとした体格の東洋人で、極太の眉の下にカミソリのような眼を光らせている。



カツ丼マン達は、その圧倒されるような存在感に、ゴクリと生唾を飲んだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫