《MUMEI》















「おもしろいくらいハマってくれたね。」


「そ…
そうですね…」


「深く考えすぎなんだよ。
それが敗因。」


「え…?」


「この試合はウチの勝ちだよ。


こんなに競った試合で、


まだウチは負けてる状況。


でもね?


わかるんだ。


さっき言ったじゃん?


技術で負けて、
気持ちでも負けたらどうしようもないって。」


「え…


でもさっきそれ言ったのは、


向こうの技術が上って意味じゃ…」


「そうだよ?


あの時は千葉のシュートの技術にも気持ちにも負けてた。


でも今ウチが勝負してるのはシュートの技術じゃない。


スピードとパス。


この技術では負けない。


もちろん気持ちでもね。


その土俵にあいつらを乗っけるのが大変なんだよ…


ま、


上手く乗せてやったけどね。


そして…」


「そして?」


「絶対逃がさない。」

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