《MUMEI》

「いやいやクロさん!!
確かに村木さん上手いすけど、
さっきあのセンターに点入れられてたじゃないすか!!」


「あれは半分は僕の指示だよ。」


「えぇ〜!?」


「海南は前やったことあるからさ。


今回村木には試合前にわざわざ向こうの練習見せたりしなかったんだよ。


ある程度癖も掴んでるだろうし。」


「…」


「でもあのセンターは前いなかったからね。


情報がなかった。


出場するとも思わなかったし。」


「…」


「村木にはそういう途中出場してくる選手に対しては何点かあげていいって言ってあんのさ。」


「な…何でですか…?」


「ふふん。


これは僕理論でしかないんだけど結構当たってんの。


最初っからいいペースで決める選手ってのは自信がつくもんなんだよね。


だからあえてその自信をあげる。


そうするとね?


似たようなプレーに頼りがちになんの。


これは覚えとけよ〜千秋。


相手に操られるとドツボにハマる。


だけどね?


相手を操ることができればゲームも操れるんだよ。」

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