《MUMEI》

「ナイッシュー!!」


ユキヒロのシュートが決まる。


「しゃぁぁぁぁ!!」


14対15。


赤高、


逆転。


残り時間は少なく、


3分を切ろうとしていた。












(ふざ…けんな…


3年間…


1日も休まないで練習してきたんだ…


例え市内リーグだろうと…


こんなとこで…


こんな奴らに…)













「負けらんね〜んだよッ!!!」































このスポーツに、


奇跡はない。


結果が全て。


シュートを打つ時間は、


長い試合時間の中ではほんの一瞬の出来事である。


その一瞬を確実な物にする為に、


どれだけのシュートを打って来ただろう…


1日100本のシュートを打ったって、


試合で決まらなければそれが結果。


ただ、


そこで立ち止まる程、


簡単に諦められない。


だからまた、


シュートを打つんだ。


奇跡を信じてはいないから。


自分の手で掴み取ってこそ価値があることだと知っているから…



























「ビー!!」













試合終了を告げるブザーが鳴る。













最終スコア。


16対18。


市内リーグ優勝校は、


赤城北高校。

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