《MUMEI》

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−−−それよりも。



あの、顔。


この世のすべてが、面倒臭く、欝陶しいモノように、見下げたあの顔。

眉間に深いシワを寄せて、

易々と暴言を吐く、その表情…。



わたしは、ハッと思い付く。

昨日の、ちょー失礼な、あのサングラス男。

わたしに向かって、当たり前のように暴言を吐いた、


あの『彼』と全く同じ顔つき。



………こいつッ!!



わたしは思わず、ガタンッと椅子を荒々しく蹴り飛ばし、立ち上がった。


一緒クラス中が静まり返り、いきなり立ち上がったわたしに注目する。


由紀も、晃も、担任も…



−−−そして、



【北條 廉】も。



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