《MUMEI》 . わたしは、カッと目を見開いて、女子たちを見回す。 「全部、こっちのセリフだっつーのッ!!」 ギャースッ!!と、怪獣のようにおぞましい顔をして、大音量で叫んだ。 わたしの形相に怯え、女子たちは口を閉ざす。 わたしはグルッと頭を動かし、再び廉を睨んだ。 廉は涼しげな表情で、わたしを見つめていた。 『取るに足らない』、とでも言いたげに。 その高飛車な目つきに、余計にイラッとする。 「ヒトのこと『どブス』呼ばわりしてぇ〜ッ!?絶・対、許さないんだからねッ!!」 噛み付くように叫んだわたしに、 廉は、瞬時に悲しげな顔つきになって、 「なんのこと…?」 ぽつん、と呟いたのだった。 . 前へ |次へ |
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