《MUMEI》 . 由紀は呆れたように肩をすくめた。 「仁菜がフッた日からずーっとあんな感じでお前のこと見てるぞ。相当、恨まれたな」 なんでもない言い方が、余計に恐怖をあおる。清水君がわたしをああやって見つめてるなんて、全然気づかなかった。 わたしは青ざめながらも、気丈に言い返した。 「カンペキ逆恨みじゃん!!あっちが勘違いしただけでしょ!」 わたしの叫び声に由紀は頭を振った。 「いきさつはどうでも、アイツは仁菜を恨んでる。それに今回、【レン】に怒鳴りつけたことで、クラスの女子からも目ェつけられたぞ」 由紀の落ち着いた物言いに、わたしは、知るかッ!と怒鳴り返した。 「清水君にしろ、【レン】にしろ、わたしはなにも悪いことしてないもんッ!!」 まくし立てたわたしに、由紀もいい加減イラッとしたようだった。 . 前へ |次へ |
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