《MUMEI》
由紀の忠告
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彼は珍しく眉間にシワを寄せ、そういうことを言ってるんじゃない、と低い声で唸った。


「誰が悪いとか悪くないとか、そんなの関係ないんだよ。落ち着いて、周り見てみろ…ただでさえ、お前『変人』呼ばわりされてんだ」


これ以上、敵を増やす必要はないだろ、と締めくくる。


確かに由紀の言葉は一理あった。


わたしは学校でも有名な『変人』。


女子たちはわたしのことをバカにして、陰で笑っている。


そして、このタイミングでやって来た《花のモテ期》のせいで、

知らない男子たちから告られては、次々と『オトモダチ』の烙印を押し、恨みをかっている。


わたしの周りは、敵ばかり。


この上、転校生…しかも超有名アイドルを罵って敵に回せば、



わたしは、窮地に立たされること間違いない。



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