《MUMEI》 . 文句をつけたわたしに、担任は呆れたような顔をして、それ!と声をあげながら、わたしの鼻先に、人差し指を突き付けた。 「その態度!!教師に向かって、なんつー口の聞き方だ!アホッ!」 怒られて、わたしはぐっと口をつぐむ。わたしがおとなしくなったのを見て、担任はヤレヤレと肩をすくめた。 「…と、いうわけで、罰として花壇の雑草取り」 これ使え、と軍手とゴミ袋を押し付けてくる。 無理やりにそれを受け取ったわたしは、また眉をひそめた。 「そんなの、掃除のオバチャンがやることじゃんか!」 負けじと言い返すと、担任はジロッとわたしを睨み、いい加減にしろ!!と、また怒鳴った。 「本当なら親御さんを呼び付けるところを、草取りで許してやるって言ってんだ!文句を言うな!」 俺って優しい〜☆と、ひとり悦に入りながら、鼻歌まじりでさっさと教室を出て行ってしまった。 . 前へ |次へ |
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