《MUMEI》 . わたしと担任のやり取りを、一部始終見ていたクラスの女子たちは、 「…ダッセー」 と、囁き、クスクス笑っていた。 わたしは、渡された軍手に目をやり、 ………だから、なんでこーなんのッ!? と、心の中で毒づいた。 そんなわたしに晃が駆け寄ってくる。 「災難だね…」 同情するような目を向ける彼に、わたしはホントだよ!と、荒々しくため息をついた。 「あンのクソ担任!どーして、いつまでも独身なのか、よく分かったわ!!」 フンと鼻を鳴らしたわたしに、晃はオロオロとした。 「手伝ってあげたいけど、俺、部活あるし…」 ゴメンね…と、申し訳なさそうに消え入りそうな声で詫びる姿に、わたしはジン…と胸が熱くなった。 . 前へ |次へ |
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