《MUMEI》 . 廉は戸惑いながらも、ゆっくりわたしたちのもとへ近づいてくる。 ………ヤダヤダヤダッ!! 頼むから、こっち来んなッ!! しかし、わたしの必死の祈りも虚しく、廉は爽やかな笑顔を浮かべて、花壇のところまでやって来て、晃を見上げる。 「クッキーって、なに?美味しそうな匂いがするけど…」 尋ねた廉に、晃は興奮した様子で答える。 「今日、部活で焼いたんだけど!あッ!!俺、料理部なんだけどねッ!!よかったら、食べてみない!?」 ハイッ!!と、一息にまくし立てて、晃は廉にわたしが貰うはずだった、焼きたてクッキーの袋を強引に渡す。 廉は袋を受け取ると、晃に向かって、 「ありがとう」 と、爽やかにお礼を言って、ニッコリした。 . 前へ |次へ |
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