《MUMEI》

ジャムおじさんが見つめる窓の外には、煌めくような新宿の高層ビル群の夜景と――…




街灯りに照らされ、晴れているのに星の少ない夜空が、空虚なまでに寂しく広がっていた。




見上げれば冬の夜空に燦然と輝いている筈の一等星も、よどんだ大気の層に覆われて、弱々しい光を放っているだけだった。




まるで風前に揺らめくロウソクの炎にも似ている――…




そしてその頼りない星明かりは、ジャム食品株式会社の行く末を暗示しているかの如く、西の空へと没してゆくのだった。




J社長「キミ達は会社の為に今までずっと尽力してくれた…。


…感謝しとるよ…。」



ジャムおじさんは最後まで忠誠を尽くしてくれた二人の部下に、背中越しに語りかけた。

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