《MUMEI》

社長室には重苦しい空気が垂れ込めてゆく…。



苦しくも先のカレーパンマンの問いかけは、他に方法が無いと念を押す格好となり、躊躇いの淵に佇むアンパンマンの背中を後押しする。



敏腕常務は、意を決するようにその口を開いた…。



A常務「これは最後の手段だ………。」



ジャムおじさんとカレーパンマンは、ゴクリと固唾を飲んで聞き入る。



A常務「無論、大きな代償を払うことになります……。」



J社長「覚悟の上じゃよ…。」



社長の口添えから、その胸中を読み取ると、アンパンマンは力強く頷いた。



そして、伏し目がちだった眼を真っ直ぐに…



社主であるジャムおじさん………




…ではなく――…




…カレーパンマンに向けた…。

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