《MUMEI》
勘違い男の逆襲
.




………なによッ!!

晃ってば、【レン】にデレデレしちゃってさ!!

由紀も由紀だよ!!

わたし放っといて、さっさと帰っちゃうし!!

そんなにセフレが大事かッ!?



友達甲斐のないヤツらめッ!!





鼻息荒く、ズカズカと喧しい足音を鳴らしながら、わたしは教室へ戻った。


教室の中には、もう誰もおらず、

シン…と静まり返っている。


わたしは自分の席へ向かい、乱暴に荷物をまとめた。



………つーか、

最近、ツイてない!!

なんでわたしばっかり、こんな目に遭わなきゃなんないのッ!?



イライラがおさまらず、わたしは、もう!!と癇癪を起こして、通学用バッグを机の上に叩きつけた。



−−−すると。



「ずいぶん、機嫌悪ィなぁ」



不気味な笑い声とともに、

耳に流れ込んできた、その男の声。


聞き覚えのある声に、わたしはハッとして、
勢いよく、ドアの方へ振り返った。


そして、目を見張る。



「…清水君」



わたしの視線の先には、

あの、勘違い男・清水君が立っていた。


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