《MUMEI》 . 清水君はわたしを怒りを込めた目で睨み、 「…調子に乗るなよ!」 怖い声で、唸るように囁く。 わたしの腕を握る手に、力が込められた。 ………そっちがその気なら、 こっちだって、容赦しないわよッ!! わたしは横目で清水君の顔をチラリと見遣り、すぐに行動に出た。 わたしの腕を掴んでいる清水君の手首を掴み、素早く自分の身体を180°反転させて、背中に回り込んだ。わたしの動きに怯んだのか、清水君は体勢を崩す。 わたしは彼の手首を掴んだまま、両腕を振りかぶり、彼の身体を脇腹に乗せながら勢いよく斬り下ろす…。 それだけで、易々と清水君を投げ飛ばせる、はずだった。 ………しかし、 清水君は転ばないように、しっかりと床を踏ん張り、体勢を持ち直すとすかさずわたしの両足を足払いしたのだ。 わたしはなすすべなく、床に尻もちをつく。 . 前へ |次へ |
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