《MUMEI》

.


………えッ!?

なに??

なにが起こったのッ!?



思いがけない展開に混乱しながら、床の上でへたり込んで、清水君を見上げる。

清水君は、不敵な笑みを浮かべて、わたしを見下ろしていた。


「なめんなよ、クソアマ」


冷たい目に、背筋が凍り付く。

清水君はその場にしゃがんで、わたしと視線を合わせた。逃げたかったが、怖くて足に力が入らない…。

清水君はニヤリと笑い、呟いた。


「お前、やたら羽柴と一緒にいるな?」


アイツも『オトモダチ』ってワケかよ、とバカにしたように言う。

冷え切った抑揚に、わたしは怯えたが、それでも必死に睨みつける。


「…わたしが誰と一緒にいようが、そんなの清水君に関係ないでしょ?」


小声で言い返したわたしが気にくわなかったのか、彼は不機嫌そうに鼻を鳴らす。

それから、唇だけで、フッと笑って見せた。


「正直、お前にはマジで頭にきてた。絶対に許さねぇって思ってたけど、もういいや。勘弁してやるよ」


勝手にまくし立てた清水君に、わたしは眉をひそめた。言っている意味がわからない。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫