《MUMEI》
理不尽な提案
.

わたしの表情を見て、彼は卑猥な笑みを浮かべて、


だから…と、低い声で呟いた。



「一発、ヤらせろ」



…。

……。

………はぁッ!?



理不尽な提案に、わたしは眉をつりあげた。


「なにバカなこと言ってんの!?いい加減にしてッ!!」


ほとんど叫ぶように言うと、清水君は欝陶しそうな顔をした。

軽く舌打ちして、うるせー女!!と毒づいた。


「おとなしく言うこと聞けば良いんだよッ!!」


叫ぶなり、彼は突然、力任せにわたしの身体を押し倒す。


「なにすんのッ!!」


ビックリしたわたしは、死に物狂いで暴れたが、清水君の力には到底敵わなかった。

彼はわたしの上で馬乗りになり、嫌がる様を見てニヤニヤしている。


「勿体ぶるなよ、今さらだろ??」



………『今さら』??



そんなことを言われる心当たりがない。


.

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