《MUMEI》
救世主??
.

悔しさとか、恐怖とか、怒りで頭の中がぐちゃぐちゃになって、わたしはギュッと目を固くつむった。





………そのときだった。





「もしかして、取り込み中?」


呑気な声が聞こえて、わたしはハッと目を開け、同時に声がした方へ顔を向ける。



開け放たれたドアの向こうに、



北條 廉が、立っていた。





******





−−−時間が止まったような気がした。





突然現れた廉の、その怖いくらいきれいなほほ笑みを目の当たりにして、

わたしは、彼の姿を、呆然と見つめていた。


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