《MUMEI》

「あ、そうそう弟よ。久し振り。」

マネージャーが、きいさんの弟……。


「似てねー!」

心から叫ぼう、全部が似てない!


「でしょ、名前しか似てないの。コイツ、人麿っていうから、皆でマロって呼びなよ。」

ヒトマロ……!
やばい、二郎の堪え笑いに引きずられる!


「あんたが失踪してから何年だっけ……」

マロージャー(今からこう呼ぼう)の位置が明らかに乱れていた。
立て直しを測ってる。


「違う、あれはちょっと旅に出ただけ。
あの後ちゃんと親と連絡取り合ってるし、マロとはたまたま会わなかっただけでしょ?
あ、そうそう。ケッコンオメデトー。」


「それが、二十年以上会わなかった弟に言う言葉か!」

後々に分かったのだが、きいさんは地元でカミングアウトしていて虐めや偏見で苦労したらしく、地元で一悶着してから旅に出たらしい。
そして別の地にて、デザイン学校を卒業し今の仕事をしているという。
つまり18の頃、旅に出てから地元には一度も帰ってない。


「え……結婚祝いならちょっと待って、財布忘れたから。」

真顔できいさんはポケットを漁る。


「要るか!」

冗談で返せないのかマロージャー……本当に似てないな。
きいさんはすらっとしていて華やかだけど、マロージャーはがっちりしていて普通の顔だ、むしろ、眉毛が太いの気になる。
麿なのに……。

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