《MUMEI》

            :
            :



時計の針は、夜10時をまわっていた…。




―――…プルルルル…プルルルル…プルルルル…プルルルル…チャッ!



*「はい、ドキンです」



長いコールの後、ゾクリとするほど若作りをした声が携帯電話の向こうから返事をした。



食パン「僕だ…。」



*「あら〜、食パンマンさま〜」



その猫撫で声に毒気を抜かれ、思わず覇気を萎えさせる食パンマンがいた。



食パン「今、話せるかい?」



*「えぇ、グッド・タイミングよ…(笑)


あと15分遅かったら、通話圏外に出ちゃうとこだったわ。(笑)」

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