《MUMEI》

「お前、今マネージャーしてるの?……へ〜野球で特待生だったのにな。」


「あ、七生と同じなんですね。」

二郎はきいさんのお陰で安堵している。


「辞めたんだよ……俺があんたがいない分、どれ程苦労したか!」


「お疲れ様です。」

きいさん軽っ……。


「……変わらないなあんたは!」


「お前こそ、俺のこと嫌ってるよな。昔はにーに、にーにって後ろ引っ付いてきて可愛かったのに。」


「いつの話だよ!」


「にーに悲しいっ。
そうやって冷たくしないでっ!」


「触んな……」

きいさんが腕を回すがマロージャーは拒絶した。


「俺のせいで虐められたから恨んでるんだよ、いやだねー根に持つ男って。」

聞こえるように耳打ちされた。


「……ち、ちがうんじゃないかな。」

二郎がマロージャーより先に開口した。

「人麿さん、是清さんを心配してるみたいだし。本当に嫌いだったらこうやって話し合わないよ。これは、あくまで俺の願望だけど、人麿さんだけに連絡してくれなかったことに怒っているんじゃないかな。」

……二郎ったら、こういうとこ大好き。


「そうだったのかあ?マロお!めっちゃ可愛らしいじゃないか!」

きいさんはマロージャーを抱きしめる。
マロージャーはきいさんから逃れようとしていたが諦めたようだった。

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