《MUMEI》

裏山に続く険しい獣道を三人の若者が草木を掻き分けながら進んでゆく。


先頭を突き進む青年は、『アキラ』…。


次に続くは、『マル』


最後は、『ゴンタ』



この三人は、幼なじみで同い年の16才…。


性格は、似ても似つかないのだが馬が合うらしくいつもツルんで遊んでいた…。


リーダーの『アキラ』は喧嘩自慢の荒くれ者。

『マル』は、小柄で二枚舌のお調子者。

『ゴンタ』は、気の弱い大男。




村人達からは、『悪ガキどもの成れの果て』などと呼ばれていたが、アキラの妹である『ヒミコ』が、不思議な力を持つという『神の子』に選ばれてからは、蔑まれる事もなくなった…。


だが、まるで腫れ物にでも触るかのように、扱われるのも面白くない…。


鬱憤を晴らすため悪さを繰り返しては、毎日を過ごしていた。


そんな、ある日…。

三人の耳に、飛び切りのビックニュースが流れてきた…。


『裏山に、メタルスライムが現れた…』


メタルスライムといえばこのジパングでは、目撃例が限りなく少ない珍種のスライム…。



「生け捕れば、村の奴らを見返す事が出来る」


三人は、喜び勇んで裏山へとやって来たのだ。

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