《MUMEI》
クー、帰宅
「… 空気清浄器、買い換えた?」

「んなヒマあるかあぁ!ボケェェ!」


そんなに怒んなくてもいいじゃん…


アルゴンの苦労を知らないクーは、少しすねた。


しかし、クーと毎日交わす『ただいま』と『おかえり』の挨拶を何よりも大切にしているアルゴンは


挨拶よりも先に意味不明の質問をしたクーに


エアーと過ごし、たまりにたまっていたストレスが爆発したのだった。


まったく、人の気も知らないで…


「この、空気バカが」

「あ、それ今日二度目」


思わず呟いたアルゴンに、クーがすぐ反応した。


それに、この空気の感じも、…似てるんだよなあ…


クーは、まるで麻薬を探す警察犬のように、クンクンと、鼻を鳴らした。


「どうした?クー。…お前、辛いの好きだろ?」


真剣に匂いをかぐクーに、アルゴンは、自分の料理の匂いが気に入らないのかと、不安になった。


…こっちからだ


クーは、集中するあまり、アルゴンを無視した。


や、やっぱりキムチはダメだったのか!?


台所に向かうクーを見て、アルゴンはショックを受けていた。


ちなみに、クーはキムチはたまに食べるだけだが、嫌いではない。

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