《MUMEI》 「お前のようなヤツを、自ら生み出すことすら可能の者だ。無論、消すこともな」 にやっと笑うと、男はおびえた顔になった。 「さしずめ私自身に何かあると見た。だがな、お前と私、どちらが強者かハッキリするだけだぞ?」 『そっそんなこと…!』 「無い、と言いたいか? だがな、お前も感じているはずだ。私のケータイに宿っているんだからな」 男は歯を食いしばった。 ケータイに宿るということは、内容を知るということだろう。 「今はまだ、相手をしてやる。だが危害を加えようとするなら、容赦はせん」 『…んだ』 真正面からはっきり言うと、ぼそっと何かを呟いた。 「何だ?」 『ラブゲージって言うんだ…。ゼロになってもヤバいし、100になってもマズイ』 ラブゲージ? …ああ、さっきから下がりっぱなしのコレか。 「ならちょうど良いのが半分か」 『うん…』 しかし今はもう5だ。 「何をすれば上がる?」 『オレに触るとか』 「こうか?」 画面越しに、男の頬を撫でる。 『うわっ、くすぐったい』 男が嬉しそうにそう言うと、ゲージがわずかに上がった。 なので頬や頭、首を撫でてやる。 「ほれほれ」 『わひゃっ!? アハハ!』 すると声を上げて笑い始めた。 数値は30まで上がった。 前へ |次へ |
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