《MUMEI》 「やっぱり…!」 「えっ? 知ってたの?」 「うっうん…」 知り合いの顔色は真っ白になっていく。 「その、知らないの? 携帯彼氏のこと」 「うん、全く」 素直に頷くと、知り合いは私から一歩距離を取った。 「今…それがウワサになっていてね」 またウワサか…。 「携帯彼氏を持つと、死んじゃうってハナシ」 「ふーん」 まあありがちだな。 しかし知り合いは、私を変なものでも見るような目付きで見てくる。 「怖く…ないの?」 「あんまり。実感が無いからかな?」 本当はこんなのに負ける気が無いからだ。 こっちの世界では、気圧されたら負けを認めた証拠。 強気でいたほうが何かと良い。 「じゃあ彼女は自分が死ぬのを恐れて、私にコイツを押し付けてきたってワケ?」 ケータイを閉じると、知り合いはまた一歩近付く。 「多分…。ゲージが一ケタ台になって、随分落ち込んでいたから」 「ゲージ…」 それが生死を左右するのか。 「ナルホド。分かった、ありがと」 「えっ? いいの?」 前へ |次へ |
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