《MUMEI》 「うん。私のケータイをいじった理由が知りたかっただけだから」 そう言ってその場を離れた。 「まっ、ある意味、筋は通るな」 低い声で呟く。 自分の命がかかっているなら、なりふり構っていられないだろう。 ある意味、客観視できる。 きっとあの時間に私の教室に忍び込んだのも、計算だったんだろう。 音楽室へ移動した後、誰かケータイを忘れていないかと机の中を調べていたら、偶然たまたま私のケータイを見つけてしまった。 そして赤外線で移したのか。 それでも何とかなると、私はこの瞬間まで思っていたのだが…。 「じゃーん! 見て見て! マカ、あたしもケータイ彼氏出来たのぉ」 んがっ! 教室に戻ると、席に座っていたミナが笑顔でとんでもないことを言ってきた。 「みっミナ…。昨日、あれほど言ったのに…」 「だぁってぇ、マカから聞いたらどぉしてもやりたくなっちゃって。でも夢中になりすぎて、もうすぐラブゲージ100いきそうなのぉ」 って、ちょっと待てっ! 0か100にいったら、ヤバイんじゃなかったか? いや、マズイんだっけ? いやいやっ、どっちも同じだ! 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |