《MUMEI》

「分かったよ」

「良いケドよ。大丈夫なのか?」

シヅキは私とルカのケータイを指でさす。

「心配せずとも私は平気だ」

「わたしだって大丈夫です! 地下鉄のバイトだってこなしたでしょ?」

「分かった分かった。んじゃ、分かったら呼ぶからな」

シヅキとセツカは立ち上がり、二人は店を出て行った。

「んじゃ、こっちも動くか」

ヒミカは早速ケータイを取り出し、キシと連絡を取った。

「―これから話しに行くから」

「ああ、頼むな」

ヒミカは手をヒラヒラ振りながら、店を出た。


「さて、わたしはしばらく彼氏持ちか」

ルカはケータイを開き、マミヤを見た。

「…アレ? 何となく、マカに似てない?」

「ミナがそう作ったんだ! …とは言え、資料を見ると、そういうふうになるよう先導されたのかもしれんが」

「なるほど。それじゃ、しばらくは恋人ゴッコを楽しみますか」

続いてルカも店を出て行った。

「しかし…」

四人がいなくなってから、ソウマが店の奥から顔を出した。

「彼等に頼むのは良いんですけど…。そう簡単には解決しないような気がしますね」

「解決しないなら、しないでいいさ。ただ解放されたいだけだからな」

「…ミナさんが絡んでいないと、冷酷ですね、マカ」

「同属が絡んでいないと、だ」

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