《MUMEI》
付き合う災難
「でもまあ…助かって良かった。まさに危機一髪だったがな」

「良いことしたねぇ。イイ子イイ子」

モモが頭を撫でてくれた。

「しかし…予想以上に向こうの力は強い。私にこんなに疲労させるなんてな」

「消滅させたせいもあるでしょう? マカさん、無茶しすぎ」

「そう言うな、レイラ。あの子を助けただけでは終わらなかったんだからな」

そう、現況を何とかしないことには、解決したとは言えない。

私は深く息を吐いて、テーブルの上のハズミを見た。

『マカ、少しは落ち着いた?』

「まあな。休めば回復する」

多少は…。

「今日は早目に休むか」

起き上がるぐらいには回復出来た。

「あっ、それでは準備を…」

「いや、今夜はハズミと二人にさせてくれないか?」

そう言うと三人は不安そうな顔になる。

「ちょっと話し合いたい。何、終われば声をかける」

「…分かりました」

カエデの了承を得たので、私はケータイを持って、自室へ入った。

『…話しって?』

ハズミの表情は、先程から暗い。

私は座椅子に座り、テーブルにケータイを置いて、ハズミと向かい合う。

「いや、ちょっとな。お前の方が私に聞きたいことがあるんじゃないかと」

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