《MUMEI》 ―翌朝。 「ふあぁあ」 「大きな欠伸ですね。マカさん」 「ホント。女子高校生とは思えないわね」 朝の8時。 喫茶店で、キシとヒミカと会っていた。 二人は早速、今朝の7時に連絡を寄越してきた。 キシが情報を掴んだという。 …今日が休みで良かった。 「はい、どうぞ」 キシは雑誌サイズの茶封筒を寄越してきた。 「携帯彼氏のサイトのことを詳しく調べましたら、彼等の仕組みが理論上、分かりました。そのことについて書いています」 「理論上?」 「ボクにはアナタ方のような力は持っていませんので、何とも」 そう言って肩を竦めて見せる。 「そうだな。まっ、ありがたく貰っておく」 私は茶封筒をカバンに突っ込んだ。 「…あんまりありがたなくそうね」 「そうでもないさ。解決の方法を探る手段は、多いにこしたことはない。特に製造方法は知っておきたいところだった」 それを半日もせずに調べ上げるとは…。 …ヒミカはとんでもない男に好かれたものだ。 「話には聞いていたが、優秀な男だな。キシ」 「次期当主にお褒めいただけるなんて、嬉しいですね。一度お会いしたかったんですよ、マカさん」 初対面にも関わらず、何だかはじめて会った気はしない。 前へ |次へ |
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