《MUMEI》 『女の子らしいね。可愛いコだし』 私は耳からケータイを離し、ハズミを睨み付けた。 「…いつ、ミナを見た?」 『ケータイで写真撮っただろ?』 ああ、見たのか。 「にしても、人のケータイの中身見て、ベラベラしゃべるものじゃないぞ」 『ゴメンゴメン。あんまりマカが構ってくれないからさ、ヒマで』 「じゃあ、お前も選べ!」 私は商品の前に、ズイッとケータイを伸ばして見せた。 「お前はミナに似合いそうなもの、何だと思う?」 『うっう〜ん。このまま商品を見せてくれれば、意見言えるけど』 「じゃあ回る」 店内はそんなに広くはない。 ぐるぅ〜と一周し終えて、ハズミを見た。 「どうだ?」 『うん、ヘアピンなんてどうかな? さっきビーズで装飾されてる可愛いヘアピンあったじゃん』 ヘアピン…と言うと、あそこか。 私はヘアーアクセサリーの棚に来た。 「どれだ?」 『あっ、アレ! あの水色の、花のラインストーンとビーズのヤツ!』 「あー、アレか」 私は手を伸ばした。割と高い所にある。 「んっ、んんっ」 指先をかすめるも、取れない。 前へ |次へ |
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