《MUMEI》 「べっ便利?」 途端にシヅキがあきれ顔になった。 「ああ、何かと使える。ケータイで使いたい機能は言えばやってくれるし、私が忘れてたこともケータイに入力していれば教えてくれるからな」 「…確かにマカらしい意見だね。恋愛が絡んでいないところが、特に」 …失礼なヤツだ。 「やめやめ! マカ、いくらなんでも人間離れし過ぎてる。お前は人間の世界で生きていきたいんだろ? あまりおかしなことはするな」 「シヅキってうるさいよね」 「何だと? セツカ」 「そっちこそやめないか! 分かった、やらない。セツカも忘れてくれ。ただの戯言だ」 「…分かったよ」 セツカは書類を封筒に入れ、テーブルに置いた。 「―で? コレで終わり?」 「結果は出せるところまで来た。後は…」 それを行動に移すかどうか。 私はふと思い付いた。 …もしかしたら、シヅキの意見を無視せず、私の戯言は叶うかもしれない。 私は黙ってセツカを手招いた。 「?」 何も言わず、セツカは私に近付いてきた。 私はセツカの耳に、思い付きを言う。 しばらくして離れたセツカは、難しい顔をした。 「…まあ何とかしてみるよ」 「頼む」 前へ |次へ |
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