《MUMEI》 最後に向かうことの災難「ミナ、誕生日おめでとう!」 「ありがとう! マカ」 翌朝、私は早速ミナにプレゼントを渡した。 駅前の喫茶店に呼び出し、今日も学校は休みなので、一日遊ぶことにしたのだ。 「プレゼントはこっち。早速開けて見て」 「うん!」 ミナは包装紙を開けて、中身を取り出した。 「わぁ…! 可愛い♪」 「ミナに似合うと思って。後こっちはミナの好きなモモのゼリー! 保冷剤を入れてるから、お昼にでも一緒に食べましょ」 「ありがとう! マカ。大好き!」 抱きついてきたミナを、私は笑顔で受け止めた。 「うん!」 『…前々から思っていたんだけどね』 「何だ?」 『何でマカって、ミナってコとの態度が違うの?』 家に帰り、ケータイを開くと、ハズミが怪訝そうな顔で言ってきた。 「…ミナにも以前はこういう態度だったさ。だけどちょっとしたトラブルがあってな。それで人格を変えただけ」 『ふぅん…。辛くない?』 「厳しい時はあるがな。それでも自業自得なんだから、しょうがあるまい」 ミナ以外を中々生きている人間と思えなかった時期があった。 そのせいで…私は親友から、自分を消してしまった。 『まっ、そういうこともあるよね』 ハズミが意味ありげに笑った。 …自嘲だな。 前へ |次へ |
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